減薬を始めたころ、一番の不安は「今夜眠れるだろうか」でした。
眠れない夜を想像するだけで胸がざわつき、心が落ち着かなくなる。
そんな私に、不眠相談員の先生がかけてくれた言葉があります。
「減薬のポイントは“疲労とやる気”ですよ」
その一言に、少し光が差した気がしました。
💡 減薬で大事なのは“生活で補うこと”
睡眠薬には、神経を鎮めて眠りやすい状態にしてくれる作用があります。
でも、減薬ではその助けが少なくなる分、自然な眠りに近づける工夫が必要になります。
つまり──これまで薬が担っていた部分を、自分の生活の中で補っていくことが大切なのです。
私の場合、それを支えてくれたのが「朝の習慣」と「1日のリズム」。
薬の助けが減った分を、自分の力で補えている──そう思えることが、不安をやわらげてくれました。
1. 朝のゴールデンタイム(セロトニン)
朝は一日のリズムを整える“ゴールデンタイム”。
朝日を浴び、朝食をとり、散歩をすることでセロトニンが分泌され、それが夜の眠りにつながります。
毎朝同じ時間に起きることは、体に『今日もこの時間からスタートだよ』と伝えるサイン。
その積み重ねが体内時計を整え、夜の眠りの準備にもつながっていきます。
👉 カーテンを開けて朝日を浴びると、不安でいっぱいの朝でも少し落ち着いた気持ちになれました。
👉 1日や2日では変わらないけれど、積み重ねることで少しずつリズムが整っていきます。
2. 日中の活動(自然な疲れを積み重ねる)
午後3時ごろまでは、できるだけ活動的に過ごすようにしました。
自然な“疲れ”をためることが、夜の眠りを後押ししてくれるからです。
👉 日中に体を動かした日は、“今日は眠れるかもしれない”と、ほんの少し安心できました。
👉 激しい運動でなくても大丈夫。できる範囲で体を動かすだけで効果があります。
3. 好きなことに取り組む(やる気とリラックス)
自分の好きなことや“やりたいこと”をする時間も大切にしました。
気分が少し上がると、不思議と心もゆるみ、リラックスにつながるのです。
👉 好きな音楽を聴いていると、不安がやわらぎ、前向きな気持ちになれました。
👉 義務感ではなく、“やりたい”と思えることをするのがポイントです。
4. 夕方からのクールダウン
夕方以降は少しずつペースを落として、夜に備えました。
👉 夕方はあえて予定を入れず、静かな時間を意識するようにしました。
👉カフェインやスマホなど刺激の強いものは、できるだけ避けた方が安心です。
👉働いている方など状況はさまざまですが、無理のない範囲で“夜に向けてゆるめていく時間”を意識できると安心です。
最後に
不眠相談員の先生の言葉どおり、“疲労とやる気”を意識して1日のリズムを整えることで、減薬中の大きな不安を少しずつ和らげることができました。
なかでも朝のゴールデンタイムは、夜の眠りに直結する大切な時間。朝から積み重ねたリズムが、その日の終わりに「無理に眠ろうとしなくても、自然に眠りに入れる準備」につながっていくのだと実感しました。
減薬の時期は本当に辛く心細いものでしたが、まずは生活のリズムを整える“基盤づくり”が、次の一歩へ進むための確かな土台になったのだと思います。
もし今、不安や眠れない夜の中にいるなら──どうか自分を責めず、少しずつ歩んでいる自分を大切にしてあげてください🍃