減薬と不安への向き合い方|デパスを手放した私の実体験

減薬

「このまま一生、薬なしでは眠れないのでは?」
そんな恐怖が胸をしめつけていました。

眠れないまま朝を迎える絶望感。
昼間は頭がぼんやりして人と話すのもつらく、仕事も思うように進まない。
薬に頼り続けてきたのに効かない夜が増え、「もう打つ手がないのかもしれない」と、出口のないトンネルに迷い込んだような気持ちでした。


減薬の始まり

不眠相談員の先生に「減薬を少しずつ始めてみましょう」と言われたとき、正直すごく怖かったです。
そのとき先生は、安心するような言葉をかけてくれました。
「ほんの少しずつでいいんです。2週間ごとに様子を見ながら、確実に前に進めましょう。」

私はまず、昼に飲んでいたデパスを半分に減らして2週間ほど様子を見ました。
慣れてきたところで昼分をゼロに。
その後は朝の分を少しずつ減らし、最後に夜の分を調整していきました。


減薬中に出た不安と体の変化

減薬初期は毎晩「今日は眠れるかな」「不安が出たらどうしよう」と恐怖でいっぱいでした。
さらに、眠れない日が続くと「体の痛み」が出ることにも驚きました。肩や腰の重さ、全身のだるさ…。

私はヨガで体をほぐしたり、鍼治療やマイクロカレント(微弱電流治療)を取り入れるうちに、少しずつ体のつらさが和らいでいったのです。


不安に押しつぶされそうなときのしのぎ方

不安が強いとき、じっとしているとますます苦しくなります。
考えがぐるぐる回って、体までこわばってしまうこと、ありませんか?

私はそんなとき「体を少しでも動かすこと」を意識していました。

🌙 夜の場合
外に出るのは難しいので、皿を洗ったり、家の一部分を片付けたり、テーブルを拭いたり。
ほんの少し体を動かすだけでも、不安の渦に飲み込ま減薬を始める前にやっておいた準備についてもまとめています。
👉「減薬前の生活リズムづくり」記事はこちら

れずに済みます。

☀️ 朝や昼の場合
とにかく外へ。5分でも歩くだけで、不安が頭から少し離れて「今日もなんとかやれた」と思えました。
「動けば、不安も少し動く」――そんな感覚が、減薬初期を支えてくれました。


減薬を支えてくれた小さな習慣

♦ ウォーキング
ウォーキングと軽い筋トレ
朝や昼は外に出て、5分でも歩くことを意識しました。
光を浴びながら歩くとセロトニンが出やすく、不思議とやる気が出てきます。

その勢いで、帰ってからスクワットなどの軽い筋トレを5分だけ。動画を見ながらでも十分です。
有酸素運動と筋トレを少し組み合わせることで、気分が前向きになり、自然な疲労もたまって夜の眠りを後押ししてくれました。

♦ 温冷浴(家でできるリセット法)
不眠相談員の先生に教えてもらった方法で、自宅のお風呂でもできるリフレッシュ法です。

熱すぎないお湯に入り、体がじんわり温まって少し汗ばむくらいになったら、冷たいシャワーを足先や手先など体の外側からかけます。いきなり全身ではなく、30秒ほど軽く浴びるだけでOK。そのあと再び湯船へ。

これを3回ほど繰り返し、最後は冷たいシャワーで締めてから、数秒お湯に浸かって終わります。
無理をすると心臓に負担がかかるので、最初はぬるめのお湯と水から始め、少しずつ慣らすのが安心です。

薬に頼らず、体のリズムを切り替える感覚。私はこの方法で、頭も心もスッと軽くなるのを感じました。

♦ ノートを書く
紙のノートに「安心できる言葉」や「過去に乗り越えた経験」を書き溜めました。後で見返すと「これだけできてきたんだ」と自分を励ます材料になりました。

専門家との対話
3〜4週間おきに不眠相談員と話し合い、「次はどう減らすか」「どんな工夫を取り入れるか」とアドバイスをもらいました。伴走者がいることが、不安を大きく和らげてくれました。


デパスをやめられた日

減薬を始めて1か月半ほどが過ぎたころ、ついにデパスをやめることができました。
この体験は、私に新しい自信を与えてくれたのです。

デパスをやめられた日

減薬を始めて1か月半ほどが過ぎたころ、ついにデパスをやめることができました。
この体験は、私に新しい自信を与えてくれました。

私はデパスから始めましたが、その後に睡眠薬の減薬にも進めました。薬の種類や順番は人それぞれですが、私にとって「一歩ずつ進めば大丈夫」という実感を得られたことが大きな支えになりました。

「デパスを手放せたのだから、睡眠薬もきっとやめられる」――そう思えるように。
もちろん不安は残っていましたが、体のケアや小さな工夫を積み重ねることで、「眠れなくても私は大丈夫」と感じられる瞬間が確かに増えていました。

薬を減らすのは怖いことです。
でも、その一歩の先に、これまで見えなかった景色が広がっている――。
私は少しずつ、それを実感できるようになってきました。


おわりに ──一歩ずつでも大丈夫

減薬初期は「眠れない」「不安が強い」のは想定内。
大切なのは、不安をゼロにするのではなく、「不安と付き合う工夫」を持つことでした。

ウォーキング、温感浴、ノート、体のケア、そして専門家の支え。
どれも特別な準備はいらず、今すぐできる小さな工夫です。

眠れなくても自分を責めず、まずは明日の朝5分だけ外を歩いてみてください。
それだけで十分、次の一歩になります。

もしあなたがこの渦中にいるなら、とてもつらいですよね。

でも焦らなくて大丈夫です。とにかく自分のことを大切に、回復へ向かっていきましょう。


減薬を始める前にやっておいた準備についてもまとめています。
👉「減薬前の生活リズムづくり」記事はこちら

“睡眠薬を減らす前に必ずやってほしい準備|眠れる体をつくる生活リズム” ‹ 眠りと心を整える実践ガイド —

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