睡眠薬を減らす前に始めた生活習慣の工夫
「薬を減らしたい、でも眠れなくなったらどうしよう」
不眠症の人なら誰もが抱く不安だと思います。
私自身も30年近く薬に頼り続けてきました。
睡眠薬だけでなく、デパスという抗不安薬も処方されていて、「これなしでは眠れない・安心できない」と思い込んでいたのです。だから減薬を考えたときは恐怖でいっぱいでした。
そこでまず伝えたいのは――減薬は必ず専門家と進めることです。私は不眠相談員と主治医、両方に確認をしてから取り組みました。
そのうえで始めたのが、減薬前の準備としての「生活リズムづくり」でした。
減薬前に役立った生活習慣
1. 毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びる
眠れていない朝は体も心も重く、絶望的になります。それでも決まった時間に起き、カーテンを開けて光を浴びることを続けました。
👉 朝の光は体内時計をリセットする唯一のスイッチ。苦しくても習慣にすることで、夜に眠気が訪れやすくなっていきます。
👉 これらは「体内時計(概日リズム)」を整える基本で、睡眠学でも推奨されている方法です。
✅ 明日の朝、5分でいいからカーテンを開けて光を浴びてみてください。
2. 朝食で“眠りの栄養素”を意識する
食欲がなくても、卵・バナナ・納豆などを少しでも口にしました。
👉 トリプトファンとビタミンB6がセロトニンになり、夜のメラトニンにつながる。科学的な裏付けがあると「これは眠りにつながる」と安心できました。
✅ 食欲がなくても、明日の朝はバナナひと口から始めましょう。
3. 日中はできるだけ活動する
夕方までの時間を意識して体を動かすようにしました。
激しい運動ではなく、散歩や家事などできる範囲で十分です。
👉 自然な疲労を積み重ねることが、夜の眠りを後押ししてくれます。
✅ 今日の午後は、部屋の片付けや近所への散歩など、できる範囲で動いてみましょう。
4. 眠れないときは布団を出る
「眠れない」と布団に居続けると、ますます焦りが強くなります。私はその悪循環を何度も経験しました。
だから眠れないときは別の部屋へ移動し、軽く本を読んだりストレッチをして過ごしました。
👉 布団の中で頑張らないことが大切です。
なぜなら、布団=眠れない場所という刷り込みを断ち切り、再び“布団=眠れる場所”として脳に学習させる行動だからです。最初はつらいですが、続けることで眠れる感覚が少しずつ戻ってきました。
✅ 今夜眠れなかったら、布団を出て温かいお茶を飲むか、本を数ページめくってみましょう。
5. 薬を“悪者”にしない
「薬に頼る自分はダメだ」と責めるほど、心は緊張し、眠りは遠ざかります。
「必要なときは薬を使っていい」と考え方を変えると、不安が和らぎ、眠りやすさも戻ってきました。
👉 薬は敵ではなく安心の手段。この受け止め方が減薬の不安を支えてくれました。
✅ 「必要なときは薬を使っていい」と、自分に優しく声をかけてみてください。
6. 夜は照明を落とす
夜は体を休ませるためのサインを送る時間。
👉 強い光は脳を覚醒させるので、間接照明や暖色のライトに切り替えると眠りの準備がしやすくなります。
✅ 今夜から、寝る1時間前は蛍光灯をやめて、間接照明や暖色の灯りで過ごしてみましょう。
7. 寝る前に筋弛緩法(きんしかんほう)で体をゆるめる
不安で体がこわばると、眠りはますます遠ざかります。
👉 筋弛緩法は「ギュッと力を入れて、ストンと力を抜く」シンプルな方法。
👉 たとえば「肩をすくめて10秒キープ → 一気に脱力」。順番に全身をゆるめていくと、体も心も落ち着きやすくなります。
✅ 今夜、肩をすくめて10秒キープ→ストンと脱力、これだけで十分な一歩です。
詳しいやり方を知りたい方は、筋弛緩法を紹介している専門サイトをご参照ください →
(詳しくはこちら👉 ストレスに強くなるライフスタイル|パブリックヘルスリサーチセンター)jsp6cc.umin.jp+9phrf.jp+9phrf.jp+9
まとめ
減薬は薬を減らすことそのものより、前段階のリズムづくりが土台になります。
毎朝の光、朝食のひと口、日中の活動、布団を出る勇気、薬を受け入れる考え方、夜の照明、そして筋弛緩法。どれも特別な準備はいらず、今すぐ始められる小さな工夫です。
👉 すべてを一度にやる必要はありません。できそうなものを一つ選ぶだけでも十分です。
減薬を考えているあなたへ。眠れなくても自分を責めず、まずは明日の朝カーテンを開けて光を浴びてみてください。それだけで十分、次の一歩になります。
👉 実際に減薬を始めてみたら…不安との向き合い方についてはこちらにまとめています。
(リンク)投稿を編集 “減薬と不安への向き合い方|デパスを手放した私の実体験” ‹ 眠りと心を整える実践ガイド