眠れない夜のセルフケア|眠るための努力ではなく、自分をねぎらう時間へ

不眠の悩み

何日も眠れない日が続いていた頃、

私は眠るために、

いろいろなことをしていました。

部屋の明かりを暗くする。

お風呂に入る。

香りを使う。

呼吸を整える。

体の力を抜く。

どれも、

心や体を休ませるためにしていたことです。

でも、いつの間にか、

それらはすべて、

「眠れる状態にしなければ」

という作業に変わっていました。

これをすれば眠れるだろうか。

少しは落ち着いただろうか。

何かをするたびに、

自分が眠れる状態になったかどうかを確かめていました。

今振り返ると、

私に必要だったのは、

眠れる自分へ変えるための時間ではなかったのかもしれません。

眠れないまま一日を過ごしてきた自分を、

まず、ねぎらう時間でした。

セルフケアまで「眠るための努力」になっていた

眠れない日が続くと、

少しでも眠れるように、

できることを探し始めます。

睡眠に良いといわれることを調べて、

一つずつ試してみる。

それでも眠れないと、

別の方法を探す。

私も同じでした。

ただ、続けているうちに、

セルフケアをしている時間まで、

自分を確認する時間になっていました。

今日はちゃんとできただろうか。

これで体の力は抜けただろうか。

今夜は眠れそうだろうか。

本当は自分を休ませるために始めたことなのに、

気づけば、

眠れる状態をつくるための努力になっていたのです。

このままではダメ。

早く元に戻らなきゃ。

そんな思いを持ったままでは、

何をしていても、

自分を休ませるというより、

今の自分を変えようとしていたのだと思います。

その前に、今日の自分がいた

眠れない夜を何日も過ごしていると、

夜になる前から、

心も体もかなり疲れています。

眠れないまま朝を迎えて、

重い体を起こす。

頭がぼんやりしたまま、

家のことをする。

人と話す。

仕事へ行く。

いつもなら何でもないことにも、

時間がかかる。

それでも、

なんとか一日を過ごして、

また夜までたどり着く。

当時の私は、

そんな自分をほとんど見ていませんでした。

夜になるとすぐに、

「今夜はどうしたら眠れるだろう」

と、次のことを考えていました。

でも、その前には、

眠れないまま今日を乗り切ってきた自分がいます。

眠るために何かを始めるよりも前に、

その自分へ、

一度目を向ける時間が必要だったのかもしれません。

自分を抱きしめて、感じてみる

私は、

自分の体を両手で抱きしめることもありました。

形だけ抱きしめるのではなく、

その日を過ごしてきた自分を、

少し立ち止まって感じてみる。

眠れなくて、つらかったよね。

体が重いのに、

今日もよくここまで来たね。

そんなふうに、

自分へ言葉をかけていました。

ただ言葉を繰り返すのではなく、

「私は本当につらかったんだ」

と、自分の中で感じてみる。

自分でも気づかないまま、

ずっと力を入れていたこと。

眠れない不安を抱えながら、

それでも一日を過ごしていたこと。

そのことを、

自分が自分にわかってあげるような感覚でした。

すると、

張ったままになっていたものが、

ふっと軽くなることがありました。

それで必ず眠れた、

ということではありません。

ただ、

「このままではダメ」と自分を動かそうとしていたところから、

いったん降りることができたのだと思います。

自分の好きなものを、自分のために選ぶ

セルフケアというと、

何をすれば眠れるのかを考えてしまいます。

けれど私にとっては、

何をするかだけではなく、

何のためにするかも大切でした。

眠るために香りを使うのか。

今日を過ごしてきた自分のために、

好きな香りを選んであげるのか。

眠るためにお風呂へ入るのか。

疲れた体に、

ゆっくりできる時間を渡してあげるのか。

同じことをしていても、

自分の中で起きていることは、

少し違っていました。

好きな香りを選ぶ

私は、

ラベンダーやベルガモットなど、

自分が心地いいと感じる香りを使っていました。

眠りに良いといわれているから使う、

というだけではなく、

そのときの自分が、

本当に心地いいと感じるものを選ぶ。

深く息を吸ったときに、

少し肩の力が抜ける。

その感覚を、

すぐに眠りへ結びつけず、

そのまま感じるようにしていました。

明かりを少し落とす

私は19時ごろから、

部屋の明かりを間接照明に切り替えていました。

「眠るために暗くしなければ」

というよりも、

今日一日を少しずつ終えていくための明かりでした。

明るい場所で動き続ける時間から、

もう頑張らなくてもいい時間へ移っていく。

私にとっては、

そんな切り替えにもなっていました。

お風呂で体を温める

不眠が続いていた頃の私は、

肩や首に力が入り、

体が固まっているように感じることがありました。

私は38〜40度くらいの、

自分が心地いいと感じるお湯に浸かっていました。

体の力を抜こうと頑張るのではなく、

疲れている体を、

ただ温めてあげる。

眠るための準備というより、

今日使ってきた体をねぎらう時間でした。

呼吸や体の感覚に触れる

頭の中が考えごとでいっぱいになったときは、

ゆっくり息を吐いたり、

肩や首の感覚に意識を向けたりしていました。

考えを止めるためではありません。

頭の中にいる自分から、

今ここにいる自分へ戻るような感覚でした。

呼吸をしても、

気持ちが落ち着かない夜もありました。

それでも、

早く落ち着こうとするのではなく、

「今日は、それだけつらかったんだな」

と感じるようにしていました。

セルフケアは、自分をねぎらう時間だった

セルフケアをしたからといって、

必ず眠れたわけではありません。

香りを使っても、

お風呂に入っても、

呼吸を整えても、

眠れない夜はありました。

以前の私は、

何かをしたあとに、

すぐ自分の状態を確かめていました。

少しは落ち着いただろうか。

これで眠れそうだろうか。

その確認をしている間も、

頭の中では眠りを追い続けていたのだと思います。

少しずつ変わっていったのは、

セルフケアの方法ではなく、

その時間の意味でした。

眠れる自分に変えるためではなく、

眠れないまま一日を過ごしてきた自分を、

ねぎらうためにする。

好きな香りを選ぶ。

疲れた体を温める。

静かな明かりの中で過ごす。

そして、ときには、

自分の体を抱きしめてみる。

今日も、よくここまで来たね。

つらかったよね。

その言葉を、

すぐに眠るための言葉にしないで、

ただ自分の中で感じてみる。

私にとってセルフケアは、

眠りを起こすためのテクニックではなく、

一日中、眠りを何とかしようとしてきた自分が、

その作業をいったん終えるための時間だったのかもしれません。

眠れたかどうかとは別に、

今日を過ごしてきた自分を、

自分のために大切にする。

セルフケアの意味が変わったのは、

その頃からだったように思います。

この記事で書いたセルフケアは、
私が不眠から回復していく中で、
自分を大切にすることを少しずつ覚えていった時間でもありました。

生活を整えることから始まり、
不安や考え方と向き合い、
理解したことを日常の中で試していった流れを、
こちらにまとめています。

▶︎ 不眠回復の地図

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