薬を飲んでいるのに、眠れない夜が出てきた。
今まで大丈夫だったものが、
このまま通用しなくなるかもしれない、
そんな感覚がよぎる。
そのとき、頭の中で起きていたのは、
眠れないことそのものよりも、別のものだった。
「私は壊れてしまったのかもしれない」
「これが続いたら、耐えられない」
とてもつらいのに、
この状態が続くのは、もっと嫌で。
「抜け道を探さなきゃ」って思っていた。
気づくと、先のことまで一気に考えている。
「これが治らなかったら、仕事どうなるんだろう」
「普通の生活ができなくなるかもしれない」
「どうすればいいんだろう」
「早く治さなきゃ」
「何をしたら一番早く治るんだろう」
考えているつもりで、
どこにもたどり着かないまま、ぐるぐるしている。
いちばん近かった感覚は、
不安というより、
予期不安と、焦り。
「このまま悪くなっていくんじゃないか」
「自分だけ取り残されてしまった感じ」
もう、行き着くところまで来てしまったような感覚と、
「なんでここまでなってしまったんだろう」
という、理由のわからなさ。
薬が効かないということが、
ずっとどこかでプレッシャーになっていて、
「どうしたらいいのかわからない」
その状態だけが、残る。
薬を飲んでいるのに眠れない夜が出てきたとき、
苦しかったのは、眠れないことだけじゃなかった。
その先まで、
一気に悪い方へ考えが進んでしまうこと。
まだ何も決まっていないのに、
もう戻れないところまで来てしまったように感じること。
「どうしたらいいんだろう」
「早くなんとかしなきゃ」
そうやって抜け道を探しているのに、
考えれば考えるほど、
余計に出口が見えなくなっていく。
たぶんあの頃の私は、
眠れないことに追い詰められていたというより、
このまま悪くなっていく未来を、先に生き始めていた。
その中で、ふと浮かんでくるのは、
「このままでいいのかな」
「どこかで戻れなくなってるのかな」
そんなふうに思っていたのが、
自分だけじゃなかったと知ったとき、
少しだけ見え方が変わった。
すぐに楽になる、という感じではなかったけれど、
あのぐるぐるしている頭の中は、
自分がおかしくなっているから起きているわけじゃなくて、
同じように起きている人がいる状態なのかもしれない、と
思えた。
あのときの頭の中で起きていたことを、
もう少し整理して書いたものもあります。
もし、今の感覚を少しだけ言葉にしたくなったら、
ここから読めます。
