眠りたいのに頭が冴えてしまう夜へ|脳が「覚醒の方向」を向いているときに起きていること

脳を整える

眠れない夜、
体は疲れているはずなのに、
頭だけが冴えてしまう夜があります。

そんな夜ほど、
「何とか眠らなきゃ」と
頭を働かせてしまう人は少なくありません。

もし今、
・眠ろうとしているのに、考えが止まらない
・理由は分からないのに、体が緊張している
・眠れないことで、自分を責めてしまっている

どれかひとつでも近いものがあれば、
それは異常でも、失敗でもありません。

ただ、今は
脳が「休む方向」ではなく
「起きる方向」に働いているだけです。


不眠を「脳の働き」から見てみる

このページでは、
不眠を
「脳が今、どちらの方向に働いているか」
という視点から見ていきます。

夜に眠れないとき、
問題になっているのは
脳が覚醒の方向に働き続けていることです。

今、脳が「覚醒の方向」を向いているサイン

もし今、

・考えても答えが出ないことを、
 出ないと分かっていながら、
 頭の中で回し続けてしまっている

・早く寝るために良かれと思って、
 布団に入る/整えようとする/
 何か「寝るための行動」を続けてしまっている

・頭はもう使い切っている感じなのに、
 休んでいい許可が出ず、
 脳だけが立ち上がったままになっている


どれか一つでも当てはまったら、
いま脳は「覚醒の方向」を向いているかもしれません。


睡眠と覚醒は、真逆の方向にある

ここが、このページでいちばん大切なポイントです。

睡眠と覚醒は、真逆の方向にあります。

そして、ここに
眠れない夜の“落とし穴”があります。

それは、

眠るために良いと思ってやっていることが、
実は、覚醒の方向に向かっていることがある

ということです。

眠るために考える。
眠るために整えようとする。
眠るために原因を探す。

気持ちの上では「睡眠のため」でも、
脳の向きとしては、
覚醒の方向に進んでしまっていることがあります。

▶ 覚醒に向かってしまうときの脳の動き

① 終わったはずの会議に戻っている脳

布団に入っているのに、

・今日の出来事を反省する
・言い方がまずかった場面を思い出す
・明日の予定を頭の中で確認する

そんなことが始まる夜。

これは例えるなら、

**「もう終わったはずの会議室に、
ひとりで戻って続きを始めている状態」**です。

照明は明るいまま。
資料も机の上に広げたまま。

脳にとっては、
これは完全に「仕事中」。

眠りに入れるわけがありません。


② 目的地に着いたのに、ナビだけが動いている

もう横になっているのに、

・この先どうなるんだろう
・もし明日うまくいかなかったら
・先のことを考えてしまう

そんなときの脳は、

**「目的地に着いたのに、
カーナビだけが走り続けている状態」**に近いです。

ナビが動いている限り、
脳は「まだ運転中」だと判断します。

体は休んでいても、
脳は休めません。


③ 眠ろうとしてスイッチを押し続ける

「眠らなきゃ」
「早く寝ないと」
「なんで眠れないんだろう」

この状態は、

「電気が消えないのに、
スイッチを強く押し続けている感じ」

押せば押すほど、
力は入るけれど、
回路はかえって緊張します。


◀ 睡眠に向かっていくときの脳の動き

① 店じまいを始める脳

睡眠に必要なのは、
答えを出すことではなく、終了合図です。

例えるなら、

「今日はここまで、と
シャッターを半分下ろす感じ」

・片付けなくていい
・まとめなくていい
・結論を出さなくていい

「終わりに向かっている」
そのサインだけで、
脳は安心します。


② 湯船に沈んでいく感覚

眠りに向かうときは、

考えるより、感じるが近道です。

例えるなら、

「判断しない時間に、
体ごと湯船に沈んでいく感じ」

・何も考えなくていい
・リラックスしようとしなくていい

体が先にゆるむと、
脳は後からついてきます。


③ 自分を起こそうとする手を離す

眠れない自分に対して、

「ちゃんとしなきゃ」
「頑張らなきゃ」

そう声をかけていませんか。

睡眠に向かうのは、

「起こそうとしていた手を、
そっと離すこと」

何かを足すより、
やめることで近づく夜もあります。


眠れない夜に、頭の仕事を減らす考え方

眠れない夜が続くと、
人はつい
「どうしたら眠れるのか」
「何が足りないのか」
と答えを探し始めます。

でも、眠れない夜につらさを強めている原因は、
眠れないことそのものよりも、
答えや結論を出そうとし続けていること
にある場合が少なくありません。

眠ろうとして考える。
正しく対処しようとして判断する。

その一つひとつが、
知らないうちに
頭にかかる負荷を増やしていきます。

だから、眠るために何かを足すよりも、
今夜は
「結論を出さない」と決めること。

それだけで、
頭の中で続いていた作業が一つ終わり、
張りつめていた状態が、少し緩みます。

夜の脳が向かう2つの方向

ここまでの話を、
方向で整理すると、こうなります。

覚醒の方向(眠りから遠ざかるとき)

  • 考え続ける
  • 判断・分析しようとする
  • 先の予定を見にいく
  • 正解を探し続ける
  • 頭が主導になる

睡眠の方向(眠りに近づくとき)

  • 考えを終える
  • 判断しない
  • 今の感覚に戻る
  • 「今日はここまで」という終了合図を出す
  • 体が主導になる

もし、
「なぜ脳は、眠ろうとしているのに
覚醒の方向を選んでしまうのか」
そこが少し気になったら。

脳が「休めない状態」に入ってしまう仕組みを、
理由から整理しています。

理由がないのに眠れない夜
 ── 脳が「休めない状態」に入る理由


まとめ

眠れない夜があると、
人はつい自分を責めてしまいます。

でも、
眠れなかった夜の多くは、
努力が足りなかったわけでも、
やり方が間違っていたわけでもありません。

ただ、
不安や判断が重なりすぎて、
頭が休まらない状態になっていただけです。

このページは、
眠れない夜に「何かを直す」場所ではなく、
今、どちらを向いているかを、
そっと確認するための場所として置いています。

分からなくなったときや、
また考えすぎてしまったときに、
何度でも戻ってきていい場所です。

その「戻る場所」として、
私自身が使っていた言葉を、
PDFにまとめています。

▶︎ 今夜は考えなくていい
― 眠れない夜に、まず下ろしていい5つの判断


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