大きな出来事はないのに、
なぜか夜になると眠れない。
大きなイベントがあるわけじゃない。
不安というほどの気持ちでもない。
「眠れなかったらどうしよう」
そう思った瞬間から、
かえって目が冴えてしまう夜はありませんか。
不安というほど強い気持ちではないのに、
布団に入ると、
「また眠れなかったら」「明日つらくなるかも」
そんな考えが浮かんできて、眠れなくなる。
あなたはいま、
まさにこの状態ではありませんか。
これは、
考えすぎているからでも、
気持ちが弱いからでもありません。
脳が、過去の「眠れなかった経験」を思い出し、
先に警戒モードに入ってしまっているだけです。
このページでは、
「眠れなかったらどうしよう」で眠れなくなる夜に、
脳の中で何が起きているのかを整理しています。
このタイプの緊張は「イベント由来」ではない
よくある誤解
- ❌ プレゼン前だから緊張している
- ❌ 大事な予定があるから眠れない
実際に起きていること
- ⭕ 小さな変化・予定・可能性に、体が先回りして反応している
たとえば、
- 明日、いつもと違う予定がある
- 数日先のことが頭の片隅にある
- 「何かあるかもしれない」状態が続いている
これだけで、
緊張スイッチが入ってしまう人もいます。
この「先回り」の背景には、
過去の経験が関係していることも少なくありません。
以前、眠れない夜が続いたことがある。
「また同じことが起きたらどうしよう」と思ったことがある。
はっきり意識していなくても、
脳はそうした経験を覚えています。
脳にとっては、
「眠れなかった」という過去の出来事も、
れっきとした“危険データ”です。
だから、
今は特に問題がなくても、
少しでも条件が似てくると、
「また起きるかもしれない」と
先回りして警戒を始めてしまうことがあります。
こうした反応は、
過去の経験が関係していることも少なくありません。
多くの場合、
最初は何かきっかけがあって眠れなくなります。
でも、眠れない夜が続くうちに、
「眠れなかったこと」そのものが、
次の夜の不安に変わっていくことがあります。
すると問題は、
出来事そのものではなく、
「また眠れなかったらどうしよう」
という心配へと、少しずつすり替わっていきます。
緊張しやすい人=弱い人、ではない
このタイプの緊張は、
脳と体が「安全」と「予測可能性」を守ろうとしている状態です。
- 何か起きる前に備えたい
- 不意打ちを避けたい
- 混乱や失敗を未然に防ぎたい
その結果、
プレゼンのような大きな出来事だけでなく、
「ちょっとした予定」でも反応が起きます。
これは性格ではなく、状態です。
なぜ、何も起きていないのに眠れなくなるのか
なぜ不眠につながるのか
夜、脳の中ではこんなことが起きています。
- 今日の判断がまだ終わっていない
- 明日の不確定要素が残っている
- 「何かあったら困る」という余白がある
すると脳は、こう判断します。
「じゃあ、起きて見張っておこう」
これが、
夜に“見張り役”が夜勤に入ってしまう状態です。
眠れないのは、
リラックスが足りないからでも、
考えすぎている自覚がないからでもありません。
脳が、仕事を終えられていないだけ。
多くの人が、つい自分に向けてしまう“プレッシャー”
夜になると、ついやってしまいがちです。
- × もう考えない
- × リラックスしなきゃ
- × 早く寝なきゃ
でもこれは、
見張り役に向かって
「仕事するな」と命令している状態。
脳と体はまだ
「守る必要がある」と感じているのに、
現場放棄を求められると、
警戒はむしろ強まってしまいます。
ゴールは「黙らせる」ことではない
夜の見張り役を黙らせる方法、
ではありません。
夜の見張り役が、
安心して席を外せる環境をつくること。
それが、本当のゴールです。
まとめ|緊張は、弱さではなかった
- 緊張=弱さではない
- 緊張=生き残るための才能だった
- 問題は「夜まで働き続けていること」
「今は守らなくていい」
「今は判断しなくていい」
「今は起きていなくていい」
この方向が見えるだけで、
自分を責める必要はなくなります。
夜がつらいときに、戻れる場所として
ここまで読んで、
「自分のせいじゃなかった」
「壊れていたわけじゃなかった」
そんなふうに、少しでも感じるところがあったなら。
それだけで、今夜は十分です。
ただ、夜になると、
昼にわかったことが、そのまま使えなくなることもあります。
それが、夜の脳の自然な特徴だから。
だからこのページは、
「理解できたら終わり」ではなく、
また戻ってきてもいい場所として置いてあります。
このページの役割について
このページは、
夜に眠れなくなったときや、
頭や体が落ち着かないときに起きていることを、
「自分の弱さ」や
「考え方の問題」として片づけず、
今の“脳の状態”として整理するための記事です。
ここではまず、
今夜をどう乗り切るかより先に、
「今の自分に何が起きているのか」を
いったん落ち着いて見ていきます。
それが分かるだけで、
これ以上、自分を追い込まなくてよくなる夜もあります。
このページには、
そのための視点を置いています。
今の状態に近い視点を、下にまとめています
- 眠れない夜ほど、自分を責めてしまうとき
→ 眠れない夜ほど自分を責めてしまう理由|脳の仕組みで理解すると苦しさが減る - 理由がはっきりしないのに眠れない夜が続いているとき
→ 理由がないのに眠れない夜──脳が「休めない状態」で起きていること - 眠れないまま朝になってしまったとき
→ 眠れないまま朝になったとき、頭の中で起きていること
全体像を整理したい方へ
夜に眠れなくなる背景には、
「睡眠」と「覚醒」の切り替えが
うまくいかなくなる共通の流れがあります。
その全体像は、
睡眠と覚醒の視点から不眠を整理した記事でまとめています。
→ 眠ろうとしているのに、なぜか眠れない夜へ― 睡眠と覚醒の向きが切り替わらないとき ―
具体的な整え方を探している方へ
夜に判断しなくて済むよう、
考えなくても使える形に整理したものは、
別にまとめています。
脳を責めず、「働きすぎ」をねぎらう視点へ
眠れない夜も、
不安や緊張が抜けない夜も、
脳はただ、あなたを守ろうとして
働き続けていただけなのかもしれません。
このページが、
「不眠=自分のせい」という見方から少し離れて、
働きすぎた脳を、そっとねぎらう場所になれば幸いです。

