1. 生活改善でできることには限界がある
私は20代から睡眠薬や抗不安薬を飲み続け、50代になると薬を飲んでもまったく眠れない現実に直面しました。
「これだけ薬を飲んでいるのに、どうして眠れないのか」
焦りや不安で胸が締め付けられ、夜中の2時、3時に目が冴えたまま。眠るどころか、眠れないことを意識するほど目が冴えていく悪循環でした。
もちろん、生活改善にも取り組みました。
寝る前にスマホを置き、夕方以降のカフェインをやめ、朝は日光を浴びる。これらの習慣は確かに土台になり、少しはラクになったように思います。
けれど、それだけでは不眠を根本から解決することはできませんでした。
2. 不眠を悪化させる“心の思い込み”
そこで気づいたのは、私の心の奥にあった思い込みでした。
- 「早く成果を出さなければ」
- 「失敗したらどう思われるだろう」
- 「ちゃんと頑張らなきゃいけない」
一見まじめで正しい考え方に思えますが、実際には常に心を緊張させるものでした。
昼間は気づかなくても、夜になるとその緊張が不安として一気にあふれ出し、眠りを妨げていたのです。
不眠はただ「眠れない」という症状ではなく、心の状態が表に出ているサインだと実感しました。
3. 改善のカギは「心との向き合い」
転機となったのは、カウンセリングを受けたときのことです。
先生から言われたのは、
**「凝り固まった思考を、少しずつ緩めていきましょう」**という言葉でした。
私はそれまで「頑張らなきゃ」「やらなきゃいけない」という思考で自分を縛り続けていました。
でも、その言葉をきっかけに「自分を緩めてもいいんだ」と思えるようになり、少しずつ心が軽くなっていきました。
すると、不安にとらわれて眠れない夜が減り、自然と眠りが戻ってきたのです。
4. 今日からできる実践ポイント
もし生活改善をしても眠れない夜が続くなら、“心の思い込み”を見直すことが次の一歩になります。
- 「眠れなきゃダメ」という考えを手放す
眠れない夜があっても「横になっているだけで体は休まっている」と意識するだけで、気持ちが少し落ち着きます。 - 「自分にとって本当に大切なものは何か」を書き出す
仕事や周囲の期待に縛られていると、心は緊張し続けます。自分の大切にしたいものを明確にすると、余計なストレスに振り回されなくなります。 - 不安を感じたら、深呼吸や短時間の瞑想で緊張をゆるめる
数分でも意識して呼吸を整えると、頭の中のぐるぐる思考が落ち着き、眠りやすい状態をつくれます。
小さな工夫の積み重ねが、不眠改善の大きな力になります。
まとめ
不眠はただの「眠れない」という現象ではなく、心が発しているメッセージかもしれません。
生活習慣を整えることは大切ですが、それだけでは限界がある場合もあります。
私自身、振り返れば不眠改善の8割は「心との対話」でした。
あなたにとって大切なものを見直す時間が、眠りを取り戻す第一歩になるかもしれません。
不眠改善には「生活習慣」「不安との向き合い」「心を緩める工夫」など、いくつかのステップがあります。私が実際に取り組んだ内容を関連記事にまとめています。
👉 “減薬と不安への向き合い方|デパスを手放した私の実体験”
👉 “減薬中の眠れない日々──私を支えたのは「生活リズム」”
👉 カウンセリングで学んだ“心を緩める”ヒント(近日公開予定)