眠れないと、「またダメだった」と思っていた
眠れない。
すると私は、
「またダメだった」
と思っていました。
考えすぎたからだろうか。
生活の仕方が悪かったのだろうか。
もっと気をつけなければいけなかったのだろうか。
私は、眠れないことに困っているだけだと思っていました。
自分を責めているつもりはありませんでした。
ただ、眠れない理由を知って、
どうにかしたかっただけでした。
けれど振り返ると、
理由を探しているうちに、
いつの間にか自分の悪いところを探していたように思います。
自分を責めるまでに、頭の中で起きていたこと
眠れない日が続くと、
頭はなんとか理由を見つけようとします。
「なぜ眠れないのか」
「何が起きているのか」
原因がわかれば、
次は同じことが起きないようにできるかもしれない。
どこかに見落としているものがあるなら、
今のうちに見つけておきたい。
そんなふうに、
原因を探したり、
先のことを予測したり、
何度も同じことを確認したりしていました。
眠れない理由を探していたはずなのに、
いつの間にか、
「自分のどこが悪いのか」を探していました。
何か見落としているんじゃないか。
このままでは、また同じ夜になる。
原因を知りたいという思いが、
自分を点検することに変わる。
その境目は、
自分でもほとんどわかりませんでした。
そして、はっきりした原因が見つからないまま考え続けていると、
一番近くにある「自分」に、
答えを求めるようになっていきました。
性格のせいかもしれない。
考え方のせいかもしれない。
不安になりやすい自分に、
何か問題があるのかもしれない。
自分を責めたかったわけではなく、
安心できる理由を見つけようとしていた。
でも、その理由を探す視線が、
いつの間にか自分へ向いていたのだと思います。
私の中では、こんな流れが起きていました。
眠れない理由を探す
↓
自分の中を点検する
↓
自分に問題があると思う
↓
「今の自分ではダメ」と判断する
↓
眠り以外でも、自分の足りないところを探す
繰り返すうちに、同じ考えへ戻りやすくなった
眠れない。
理由を探す。
自分の性格や考え方を確かめる。
「やっぱり自分に問題がある」と思う。
私は、眠れない夜になるたびに、
何度も同じ考えを繰り返していました。
繰り返すうちに、
何かが起きたとき、
頭が自然に同じところへ向かうようになっていました。
「また考えすぎている」
「だから眠れないんだ」
「こんな性格だからダメなんだ」
その考えが正しいと確かめたわけではありません。
けれど、何度も同じ順番で考えているうちに、
それがいつもの思考の道筋になっていました。
当時の私は、
「私はもともと、こういう性格なんだ」
と思っていました。
けれど今振り返ると、
性格そのものだったというより、
同じ考えを繰り返してきたために、
その考えが自動的に浮かびやすくなっていた。
……というほうが近かったのだと思います。
考えようとして考えていたわけではない。
気づいたときには、
もう、いつもの結論へ向かっていました。
その奥に「今の自分ではダメ」という前提があった
私は長い間、
考え方や性格を変えなければ眠れないと思っていました。
けれど振り返ると、
変えなければならない自分がいたというより、
何かを考え始める前から、
すでに一つの判断があったように思います。
今の自分はよくない。
このままの自分ではいけない。
だから、変わらなければならない。
眠れない自分。
不安になる自分。
落ち込んでしまう自分。
私は、そういう自分を、
そのままの状態として見るのではなく、
直す必要のある自分として見ていました。
眠れないという一つの出来事が、
「今の自分ではダメ」という、
自分全体への判断に変わっていた。
その境目も、当時の私には見えていませんでした。
眠れない夜だけの考え方ではなかった
後になって気づいたのは、
この自分の見方は、
眠れない夜だけに起きていたものではなかったことです。
人にどう思われるかが気になるとき。
きちんとできなかったとき。
相手の期待に応えられなかったように感じたとき。
何かがうまくいかないと、
私は今の自分の足りないところを探していました。
人にどう思われるかが気になる。
ちゃんとしなければと思う。
自分より相手を優先してしまう。
一見すると別々の悩みに見えます。
けれど私の場合は、
どれも「今の自分では足りない」という感覚につながっていました。
その前提があると、
起きた出来事の中からも、
自分のできなかったところや、
足りなかったところを見つけやすくなっていたように思います。
眠れない夜には、
それまで自分を見るときに使っていた前提が、
より強く表れていたのかもしれません。
AIとの対話で、それが自分責めだと気づいた
私はAIとの対話の中で、
自分の中にある言葉を何度も話していました。
そこで、自分がしていることを、
「自分を責めているのかもしれない」
と言葉にされました。
最初は少し意外でした。
私は、自分を責めたいわけではなかったからです。
よくなりたい。
同じことを繰り返したくない。
そのために、自分を振り返っているつもりでした。
けれど、振り返るたびに、
「自分のどこを直せばいいのか」
というところへ向かっていた。
自分責めというのは、
「私はダメだ」と、
はっきり自分に言うことだけではありませんでした。
何かが起きるたびに、
自分の悪いところを探す。
できなかったことを確認する。
今の自分を、
直す必要のある自分として見る。
それも私にとっては、
自分を責めていることだったのだと、
後になって気づきました。
そう考えてしまう自分を否定しないと、少し圧が下がった
今の私は、
当時の自分が否定的なことばかり考えていたことを、
少し違うところから見ています。
眠れない日が続いていた。
次の夜も眠れない気がしていた。
この状態がいつまで続くのかもわからなかった。
そんな中にいたのだから、
物事を否定的に考えてしまうのも、
無理はなかったのだと思います。
そりゃ、そう考えちゃうよ。
ずいぶん、つらかったよね。
以前の私は、
否定的に考える自分に気づくと、
そんな自分も変えなければと思っていました。
自分を責めてはいけない。
もっと前向きに考えなければ。
今の自分を受け入れなければ。
けれど、そう思うほど、
今の自分を直そうとする力が、
また強くなっていたように思います。
自分を責めていることに気づいたときも、
すぐにやめようとするのではなく、
「今は、そう考えてしまうんだね」
と、そのまま見てみる。
私の場合は、それだけで、
自分にかけていた圧が少し下がりました。
考え方がすぐに変わったわけではありません。
否定的な言葉が浮かばなくなったわけでもありません。
ただ、その考えが浮かんだあとに、
さらに自分を否定することが少しずつ減っていきました。
自分を責める。
そんな自分を、また責める。
私は、その二つ目の責めるところで、
苦しさを大きくしていたのかもしれません。
受け入れるというのは、
その考えを正しいことにするのではなく、
今そう考えている自分と、
すぐに争わないことだった。
私にとっては、
そのとき初めて、
「今の自分ではダメ」というところから、
少しだけ離れられたのだと思います。
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