不眠回復の土台になった生活習慣チェックリスト|私が見直した生活と内側の負担

減薬

はじめに

眠れない日が続くと、

夜、何をすれば眠れるのか。

何をやめれば眠れるようになるのか。

そこばかりを探してしまうことがあります。

私も、早く眠れる方法ばかりを探していました。

けれど、不眠相談員の方から教えてもらったのは、夜だけを変えるのではなく、朝から夜までの生活の流れを整えることでした。

朝は一日を始める。

日中は、できる範囲で活動する。

夕方以降は、少しずつ休息の方向へ切り替える。

眠れないときは、布団の中で頑張り続けない。

そうした生活習慣は、私にとって回復の土台になりました。

ただ、生活を整えるだけで回復したわけではありません。

自分を消耗させていたもの。

抱え込んでいた感情。

薬に対する不安。

眠れないことを何とかしようと、考え続けていたこと。

生活の流れと一緒に、こうした内側の負担も少しずつ見ていきました。

この記事では、私が生活の中で確認していたことと、それと並行して見直していたことを、チェックリストにまとめます。

すべてにチェックがつく必要はありません。

できていない項目を数えるためではなく、今の生活がどのような状態になっているかを、一度見渡すためのものです。


生活のリズムを確認するチェックリスト

朝

□ 毎朝、決めた時刻に起きている

□ 起きたら朝の光を浴びている

□ 朝食をとっている

日中

□ 散歩、仕事、家事、買い物などで、できる範囲で体を動かしている

□ 体調に合わせて、活動量を調整している

□ 一日中、横になったままにならない時間をつくっている

□ 睡眠以外のことに意識が向く時間がある

□ 午後3時以降は、昼寝やうたた寝をしていない

夕方から夜

□ 夕方以降は、少しずつ活動を下ろしている

□ 早い時間の眠気で、そのまま眠ってしまわないようにしている

□ 夜に予定や考え事を詰め込みすぎていない

□ 入浴やストレッチなど、体を休ませる時間がある

□ 照明やスマホから受ける刺激を少し減らしている

布団に入ってから

□ 眠気を感じてから布団に入っている

□ 眠れないまま、布団の中で頑張り続けていない

□ 時計を何度も確認していない

□ 夜中に、この先のことまで決めようとしていない

ここに並べたのは、すべてを守ればその夜に眠れる、という条件ではありません。

朝から日中、夕方、夜へと向かう一日の流れが、今どのようになっているかを見るための項目です。

私も最初から、すべてできていたわけではありませんでした。

むしろ、分かっていてもできず、何度もつまずいたことがありました。


私が何度もつまずいた3つの習慣

決めた時刻に起きる

私が特に難しかったのは、眠れなかった翌朝も、決めた時刻に起きることでした。

ほとんど眠れなかった朝は、

「もう少し横になっていたい」

「今からなら少し眠れるかもしれない」

と思います。

それでも、不眠相談員の方からは、

「学校の始業のチャイムのように考える」

と言われていました。

学校では、よく眠れた日も眠れなかった日も、決められた時刻に始業のチャイムが鳴ります。

それと同じように、眠れたかどうかで起きる時刻を変えず、決めた時刻になったら一日を始めるということでした。

起床時刻を一定にするのは、体内時計を整えるためでもあります。

睡眠には、眠気だけでなく、体内時計やホルモンの働きも関わっています。

睡眠を促すメラトニンは、セロトニンを材料に体内でつくられ、その分泌のタイミングは体内時計や光の影響を受けています。

そのため私は、決めた時刻に起き、朝の光を浴びることを一日の始まりとしていました。

夜の睡眠の結果によって、朝の始まりまで後ろへずらさない。

言葉で聞くと単純なことに思えますが、眠れていない朝の私には、何度もつまずくところでした。

午後3時以降は、昼寝やうたた寝をしない

午後3時以降は、昼寝をしないように言われていました。

布団に入って眠るだけではなく、目を閉じてうとうとすることも含まれます。

私の場合、眠れていない日は、夕方になると強い眠気が来ました。

特に夕食を食べたあとは、急に睡魔が強くなりました。

「今ここで眠れたら、どんなに楽だろう」

そう思いながら、気づいたらすっと眠ってしまうこともありました。

当時は、不眠相談員の方から、最初のうちは就寝時刻をなるべく遅くするようにも言われていました。

たとえば夜8時に強い眠気が来ても、そこで眠らず、決めていた就寝時刻まで起きている。

眠れていない体で睡魔をやり過ごすのは、かなりつらいことでした。

夕方以降は少しずつ休息へ向かいながらも、早い時間に強い眠気が来たときは、座り込まずに軽い家事をして過ごしていました。

夕食とお風呂の順番を入れ替えることもありました。

先にお風呂に入り、そのあと夕食を食べると、体も気持ちも緩み、そのまま強い眠気が来ることがありました。

そのため、夕食を先に済ませ、就寝予定時刻から逆算して入浴するなど、時間の組み方を変えていました。

睡魔に負けて、うとうとしてしまう日もありました。

ただ、眠くなる時間に座らない。

その時間にできる軽い家事を残しておく。

夕食と入浴の順番を変えてみる。

自分が眠くなりやすい流れを見ながら、できる範囲で一日の組み方を変えていました。

眠れないときは、布団から出る

夜、布団に入っても眠れないときは、布団の中で眠ろうと頑張り続けず、一度出るように言われていました。

眠れないまま長く布団で過ごしていると、布団が「眠る場所」ではなく、「眠れずに考え続ける場所」として脳に記憶されてしまうことがあるからです。

けれど当時の私は、眠れないほど、

「ここにいれば、そのうち眠れるかもしれない」

と思っていました。

それに、睡眠不足で心も体も疲れ切っている中、やっと横になれた布団から、もう一度起き上がること自体がつらく感じました。

せっかく体を休められているのに、眠れないという理由で別の場所へ移り、眠気がくるのを待たなければならない。

その時間を想像するだけで、面倒というより、もうそのために動く力が残っていないような感覚でした。

「今出たら、眠れる機会を逃してしまうかもしれない」

そんな思いもあり、なかなか布団から出られませんでした。

それでも、眠れないときはいったん布団から出て、別の場所で静かに過ごす。

そして、眠気が戻ってきたら、もう一度布団に入る。

やり方は分かっていても、疲れ切った夜に実際に布団から出ることは、思っていた以上に難しいものでした。


生活習慣と一緒に見直していたこと

生活のリズムを整えることは、私にとって回復の土台になりました。

ただ、毎朝決めた時刻に起き、日中に活動していれば、それだけで回復したわけではありませんでした。

生活を整えることと並行して、自分の中や周りに、体や頭を休みにくくしているものがないかも見ていきました。

一つ目は、朝から夜までの生活の流れ。

もう一つは、その生活の中で、自分を緊張させ、消耗させ続けていたものです。

自分を消耗させているもの

□ 睡眠不足の状態でも、以前と同じように動こうとしていないか

□ 休める場面でも、「頑張らなければ」と自分を動かし続けていないか

□ 仕事や人間関係など、自分を強く消耗させているものはないか

眠れていないときの私は、体がつらくても、

「いつもどおりにやらなければ」

「このくらいはできなければ」

と、自分を動かそうとしていました。

生活を整えることと、無理を重ねることは、同じではなかったのだと思います。

すぐに仕事や環境を変えられなくても、今の自分を特に消耗させているものは何か。

少しだけでも負担を減らせるところはないか。

そういう見方も、生活習慣と同じように必要でした。

抱え込んでいる感情

□ つらさや不安を、一人で抱え込み続けていないか

□ 悲しい、苦しい、悔しいという感情に蓋をしていないか

□ ノートに書く、泣く、誰かに話すなど、気持ちを外へ出す時間があるか

私がもらった生活改善のマニュアルには、

「1日20回笑う」

「1週間に1回泣く」

と書かれていました。

最初は、睡眠と何の関係があるのだろうと思いました。

けれど当時の私は、眠れない苦しさや先の見えない不安だけでなく、日常の中で感じたことまで、気づかないうちに抱え込んでいました。

泣くことや笑うこと自体を、睡眠の方法にするということではありません。

感じていることに蓋をしたまま、自分を動かし続けない。

ノートに書く。

泣ける映画を見る。

誰かに話す。

私にとっては、気持ちを外へ出す時間も、回復の土台の一つでした。

薬との向き合い方

□ 薬を飲んでいること自体を、悪いことのように捉えていないか

□ 眠れなかった結果から、薬や自分を否定していないか

□ 薬を減らすことだけが、回復の目標になっていないか

□ 薬の変更や減薬を、自分だけで判断しようとしていないか

私には、薬を飲んでも眠れない時期が長くありました。

薬を飲むたびに、

「こんなに飲んでいるのに眠れない」

と思っていました。

薬を飲んでも眠れない自分。

これだけの薬を飲んでいる自分。

そう考えるうちに、薬そのものまで、どこか飲んではいけないもののように感じるようになっていました。

その頃、不眠相談員の方から、

「薬を敵のように見ない」

という考え方を教えてもらいました。

その言葉を聞いたとき、私はとても腑に落ちました。

薬は悪いものではなく、今の自分を助けてくれているもの。

「今の私を助けてくれて、ありがとう」

そう捉え直したことで、薬に対して感じていた圧が少し下がりました。

薬の変更や減薬については、自分だけで判断せず、医師に相談しながら進めることが前提になります。

不安との付き合い方

□ 不安を今すぐなくそうとしていないか

□ 夜中に、この先のことまで決めようとしていないか

□ 「また眠れなかったらどうしよう」という考えを、一日中追い続けていないか

眠れない不安が出てくると、私は、その不安を早くなくそうとしていました。

なぜ不安なのだろう。

どう考えれば不安が消えるのだろう。

今夜も眠れなかったら、この先どうなるのだろう。

考えて答えを見つけようとするほど、睡眠から意識が離れなくなりました。

「このままでいいのかな」

「早く元に戻らなきゃ」

夜の疲れた頭で、そこまで決めようとしていました。

不安を感じないようにすることより、不安が出てきたときに、その場ですべてを解決しようとしていないか。

私の場合は、そこに気づくことも必要でした。


今振り返って思う、チェックリストとの付き合い方

不眠相談員の方から生活改善のチェックリストをもらったとき、私は少し安心しました。

それまで、何をすれば眠りに近づけるのか分からなかったからです。

朝は決めた時刻に起きる。

日中は活動する。

午後3時以降は眠らない。

眠れないときは布団から出る。

言葉になった指標があることで、

「まずは、これをやっていけばいいんだ」

と思えました。

ただ、チェックリストを見ることと、眠れていない状態で実際に続けることは、同じではありませんでした。

一つひとつは短い言葉ですが、実際にやってみると難しいこともありました。

できない日もありました。

そして、きちんと守ろうとするほど、

「この時間に起きなければ」

「今は眠ってはいけない」

と、一日がルールに縛られているように感じることもありました。

それでも私は、

朝、決めた時刻に起きた。

朝の光も浴びた。

散歩もした。

午後は眠らなかった。

夜はストレッチもした。

だから今日は眠れるはず。

そんなふうに、一つひとつの行動の先に、その夜の睡眠を待っていました。

それでも眠れないと、

「何が足りなかったのだろう」

「どこかやり方が間違っていたのだろうか」

と、その日の過ごし方をもう一度調べ始めました。

生活のリズムを整えることは、私にとって回復の土台になりました。

ただ、私がチェックリストとの付き合い方でつまずいていたのは、

「これだけやったのだから、今日は眠れるはず」

と、一つひとつの行動を、その夜に眠るための条件にしていたこと。

そして、できない日があると、

「守れなかった」

と、ルールから外れた自分を責めていたことでした。

私の経験から、チェックリストと付き合うときに伝えたいことは二つです。

一つは、チェックした行動と、その夜に眠れたかどうかを毎回結びつけないこと。

もう一つは、すべてを守らなければならないルールにしないこと。

このチェックリストは、その日の睡眠を成功させるための採点表ではありません。

何をすればよいか分からなくなったときに、今の生活を一度見渡し、進む方向を確認するための目安です。

ここにまとめたのは、私が当時、不眠相談員の方から受けた指導と、自分の生活の中で実践していたことです。体調や治療状況によって合う方法は異なるため、すべての方に同じやり方を勧めるものではありません。

私の場合、生活を整えることと、自分の内側で起きていることを見ることは、別々に進んだわけではありませんでした。

朝から夜までの流れを整えながら、自分を緊張させていたものにも少しずつ気づいていく。

その両方が、回復の土台になっていたように思います。

私が眠れない日を、朝から夜までどのように過ごしていたのかは、こちらの記事にまとめています。

→ 不眠回復の土台になった1日の過ごし方

生活を整えたあと、自分の内側をどのように見ていったのかを含めた回復全体の流れはこちらです。

→ 不眠回復の地図

タイトルとURLをコピーしました